〝UAL〟と聞き、今度はあれだけ騒いでいた心臓が止まった気さえした。
「うそ……」
思わず口から漏らしていた。ふらふらとした足取りでデイルームに踏み込む。
最前列でテレビを見つめた。
滑走路からはみ出して、少し傾いた機体は黒煙を上げている。
茫然として立ち尽くしていると、隣に人の気配がした。
「これって……隼さんのところの?」
月穂が振り向くと同時に、乃々がそう言った。
どうやら、偶然月穂を見かけ、なにを真剣に見ているのかと気になって来たようだ。
乃々は引き攣った笑顔でつぶやく。
「まさか、隼さんが操縦してた飛行機じゃ……」
それは、月穂も一番先に思ったことだったが、怖くて口になんか出せなかった。
ただ、吸い込まれるようにテレビを注視する。
『ただいま、乗客と乗務員の安否を確認中だということです』
テレビの中途半端な情報に、余計に不安を煽られる。
祥真はマドリードへ行くと言っていた。
さっきアナウンサーが報道したのはフランクフルトだ。
だとしたら、祥真が操縦する航空機ではないかもしれない。きっと違うはずだ。
胸の中で何度もそう言い聞かせていると、乃々が乾いた笑いを漏らす。
「ま、まさかね。そんなこと現実にあるわけないし」
乃々の言葉に、なんだか胸騒ぎがした。
「うそ……」
思わず口から漏らしていた。ふらふらとした足取りでデイルームに踏み込む。
最前列でテレビを見つめた。
滑走路からはみ出して、少し傾いた機体は黒煙を上げている。
茫然として立ち尽くしていると、隣に人の気配がした。
「これって……隼さんのところの?」
月穂が振り向くと同時に、乃々がそう言った。
どうやら、偶然月穂を見かけ、なにを真剣に見ているのかと気になって来たようだ。
乃々は引き攣った笑顔でつぶやく。
「まさか、隼さんが操縦してた飛行機じゃ……」
それは、月穂も一番先に思ったことだったが、怖くて口になんか出せなかった。
ただ、吸い込まれるようにテレビを注視する。
『ただいま、乗客と乗務員の安否を確認中だということです』
テレビの中途半端な情報に、余計に不安を煽られる。
祥真はマドリードへ行くと言っていた。
さっきアナウンサーが報道したのはフランクフルトだ。
だとしたら、祥真が操縦する航空機ではないかもしれない。きっと違うはずだ。
胸の中で何度もそう言い聞かせていると、乃々が乾いた笑いを漏らす。
「ま、まさかね。そんなこと現実にあるわけないし」
乃々の言葉に、なんだか胸騒ぎがした。