君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「ああ……」



そして、気まずそうに声を落とす。だから。



「そのピアス、素敵だね」



蒼くんが口を開く前、あたしの方から率直な感想を告げた。

ピアスを変えたことに対して、あたしが不快に思ってると思われるのがイヤで。



「おう、サンキュ……」



どうしてお兄ちゃんのピアスを外しちゃったの、なんて聞くのは蒼くんを苦しめるだけ。


きっと、蒼くんなりの想いもあるんだよね。


それは、前へ進んでる証拠でもある。

それをあたしが止めるようなことはしちゃいけない。

むしろ、嬉しいこと。


家族の様に一緒に闘ってくれた蒼くんだけど、いつまでもお兄ちゃんに縛られて生きて行くのはダメだって分かってる。


蒼くんが自分の道へ進むこと、永井家のひとりとして応援しなきゃいけないの。