柔らかいブラウンの髪の下からのぞく、左耳のピアス。
中学2年のとき、蒼くんは突然ピアスを開けた。
いきなりのことでびっくりした。
蒼くんが不良になっちゃうのかもって、不安にもなった。
けど、そんなことはなかったんだけど……。
お兄ちゃんは、蒼くんにピアスをプレゼントしたいと言った。
でも入院中だったから、一時外泊が許されたときにあたしが付き添って買いに行ったんだ。
お兄ちゃんが選んだのは、シンプルなシルバーのピアス。
太陽の光に当たるとキラキラ反射して、すごく綺麗で好きだった。
蒼くんはそれ以来、ずっとそのピアスをつけていたのに……。
「……ん?」
あ……見すぎちゃってたかな。
あたしの視線に気づいたのか、蒼くんは軽く左耳に触れた。



