「サンキュ。俺、2年で新入部員だからさ、人より倍頑張らねえとなんだ。美紗って、凜太朗と同じクラスなんだろ?」
「ん?う、うん」
どうしてだろう。
蒼くんの口から久我くんの名前がでてきて、すこしだけドキッとした。
「凜太朗のプレーってすげーんだ。普段落ち着いてるヤツが本気出したらこえーっての、あいつにピッタリ当てはまってるよ」
……そうなんだ。
久我くんがどんなプレーをするのか、少しだけ興味が湧いた。
いつも冷静な彼が、どんな風に熱くなるのか。
「当面のライバルは凜太朗だな。1年に負けるわけにいかねえし」
「気合がすごいね。頑張って!」
蒼くんに顔を向けながら話すあたしは気づいてた。
……左耳のピアスの変化に。



