「いや、俺の方こそ遥輝に礼言わなきゃな。遥輝がいなかったら、バスケだってやってなかったかもしれない。スポーツとか、一生懸命やることの楽しさを教えてくれたのは遥輝だから……」
お兄ちゃんと蒼くんの出会いは、小学６年の時だった。
我が家が引っ越しをしたことで、転入先の小学校で出会ったのだ。
幼なじみとかそんなんじゃなく、付き合いは５年もなかったけど。
年月じゃなくて、お兄ちゃんと蒼くんは友情を育んで固い絆で結ばれた。
「あたしも応援してるよ。蒼くんがバスケをしてる姿、大好きだから」
中学生になったあたしが初めて蒼くんのプレーを見たとき、心ごと持って行かれた。
キラキラ輝いている蒼くんに、あたしは二度目の初恋をしたの。
