「……どしたー?」 見上げると、そこにあるのは優しいまなざし。 切れ長で涼しげに見える瞳の奥には、温かさが宿っている。 ああ、好きだなって思う。 「蒼くん、またバスケはじめたんだね」 さっきから、ひとりどきどきさせられっぱなしで、そういえば言いたいことも言えてなかった。 その瞳に向かって告げたのは、ほんとは一番に掛けたかった言葉。 「おう、遥輝に約束したからな」 「……お兄ちゃんに?」 どちらからともなく、歩幅がゆっくりになる。