同じ学校にいても、毎日会えるわけじゃない。
今日ははじめて。しかも一日の終わりに会えるなんて。
こんな時間まで残らせてくれてありがとう、久我くん!
蒼くんは、同じく2年の先輩と喋りながら靴を履いていた。
どうしよう。
声、掛けたいけど……。
こんなに人がいっぱいのなか無理だろうなぁなんて思っていると、靴を履き終えた蒼くんがあたしに気づいて声をかけてきてくれた。
「あれ?美紗、なにやってんの?」
部活の疲れなんて一切みせない、太陽みたいな笑顔で。
「えと、委員会で……」
髪の毛おかしくないかな。
こんなことなら、帰る前に鏡見るんだった。