*** 「永井さん、どうだった?」 うしろの席から声をかけてくるのは、同じ中学から一緒に受験した女の子。 「まあまあ……かな」 あたしは、苦笑いしながら答えた。 たった今、学科試験すべてが終わった。 過去問でレベルの高さは覚悟していたけど、なかなかに難しかった。 「お互いに受かってるといいね」 彼女は滑り止めでの受験だからか、浮かべる笑みにも余裕が見える。 「うん」 ……精いっぱいやったけど、どうだろう。 内心不安でたまらない。