君が泣いたら、俺が守ってあげるから。


***


「永井さん、どうだった?」



うしろの席から声をかけてくるのは、同じ中学から一緒に受験した女の子。



「まあまあ……かな」



あたしは、苦笑いしながら答えた。



たった今、学科試験すべてが終わった。

過去問でレベルの高さは覚悟していたけど、なかなかに難しかった。



「お互いに受かってるといいね」



彼女は滑り止めでの受験だからか、浮かべる笑みにも余裕が見える。



「うん」



……精いっぱいやったけど、どうだろう。


内心不安でたまらない。