君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「雷鳴る度にへそ隠して騒いでたら、いつまでたっても家に帰れなさそうだしな」


「ちょ、久我くんっ……!?」



ネタの様に言われて、ドキドキなんて吹っ飛んだ。


久我くんって、こんな人なんだ?



「こんなに遅くなったの俺のせいだし。早く切り上げてれば暗くならなかったし雷の中帰ることもなかったんだから」



……じつは、すごく優しい人なのかもしれない。


整った綺麗な顔立ちをしているぶん、すこし冷たく見えるけど。


意外にも色んな表情を持っている。


もっと仲良くなれたらいいな。


片づけをはじめた横顔を見ながら、密かにそんなことを思った。