君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



雷が鳴ると、咄嗟におへそに手を当ててしまうのは昔から。

『雷が鳴ったらおへそをとられる』なんて昔聞いた迷信を信じてるわけじゃないけど、クセだから直らない。


だけど高校生にもなって、それも人前で……。恥ずかしいっ……。


ゴロゴロ……ッ!



「きゃあっ」



再び雷が聞こえてまた叫び声をあげるあたし。


怖いよ……。

久我くんじゃなかったら、しがみつきたいくらい。



「クククッ……」



だけどそんなあたしを見て、彼は笑ってる。


……もう、そんなに笑うことないのに。


あたしはおそるおそる窓に近づき、外の空を見上げた。



「怖いなぁ……」