「すごくね?ほんとに1日で終わった」
「すごいすごい。集中してやれば、ポスターも短時間で作れるんだね」
最後の方は、もう無言でひたすら手を動かしていた。
会話がないくても気まずいなんて思わないほど、集中してた。
「悪かったな。1日で終わらすとか無理言って」
「ううんっ。あたしの方こそ、ほとんどやってもらちゃって……なんだかごめんね」
完成したものを見れば、あたしが手を入れたところなんてほとんどない。
居た意味あったかな……。
「でも、色の補充とか、筆洗ってくれたり水交換してくれたりしただろ」
「え……」
それ"しか"だよ。
それしかしてないのに。
優しいことを言ってくれる彼に感動を覚えたとき、辺りが一瞬にして"ピカッ"と光った。



