「美紗……?」



あたしの異変に気付いたのか、伊織ちゃんが声のトーンを落とす。



「美紗どうした?顔色悪いよ?」


「……っ、大丈夫だよ!」



大きく息を吸い込んでから、自分に言い聞かせるように。



ヘンに思われてないかな。

大丈夫かな。



「そう?それならいいけど……」


「うん、食べようっ」



そのままスプーンでハヤシライスをすくい、口の中へ押し込めた。


せっかく友達ができたのに、隠し事をしてるなんバレたくない。


いつかは話す日が来るかもしれないけど、今はまだ口にできるほど心の整理がついてないから。


無理に笑顔を作って、なんでもないふりをした。