お兄ちゃん。 もうあたし、大丈夫だよ。 いま、とっても幸せなの。凛太朗くんが隣にいてくれるから。 なるべく泣き虫も怖がりも卒業する。 だから心配しないでね。 凛太朗くん、ほんとに素敵な人なの。 あたしにはもったいないくらいに。 お兄ちゃんにも、ちゃんと紹介するからね……。 心のなかで呟いて、空を見上げれば。 『もう知ってる』 そう、お兄ちゃんが笑っているかのように。 雲ひとつない青が、広がっていた―――。 《fin》