昇降口で待っていると、工藤くんが一番にやってきた。
そんなに伊織ちゃんに早く会いたいのか、走って登場したから思わず笑ってしまう。
「伊織、お待たせ!」
「あれ?ひとり?」
「凛太朗はもうすぐ来ると思うよ!」
「どうせなら一緒にくればいいのに」
なんて、伊織ちゃんに頬を膨らませて言われ、ちょっとしょんぼりしている工藤くんが可哀そうで可愛い。一生懸命急いできたのに……ね?
「だって映画の時間があるだろー」
「それは……そうだけど……」
ふたりはこのあと映画を見に行くみたい。
今大ヒット中で、伊織ちゃんがずっと見たいと言っていた、青春系ラブストーリー。
「凛太朗くん来るまで待ってようよ」
あたしをひとりにすることをためらう伊織ちゃんに、
「すぐ来るから大丈夫だよ。ほら、早く行かないと映画間に合わなくなっちゃうよ」
手を振って早く行くように促すと、伊織ちゃんは「ごめんね」と言いながら、申し訳なさそうに昇降口を出て行った。



