「ところで美紗ちゃん、蒼先輩とどういう関係なの?家行くとか言ってたけど」



続けて工藤くんが興味津々に聞いてきた。



「えっと……」



あたしと蒼くんの関係。

そう言われて、過るのはお兄ちゃん。


あたしは一度呼吸を整えてから言った。



「……お兄ちゃんの友達なの……」



気持ちを落ち着かせ、声が震えないように。



「美紗ってお姉ちゃんいるんだよね?お兄ちゃんもいるんだ?」



えっ、と、伊織ちゃんが目を丸くする。


会話の中でお姉ちゃんがいることは伝えていたけど、お兄ちゃんの話はまだしたことがなかった。

なんとなく言いづらくて。



「……、」



でも。


うん、と答えようとして。

なぜだか喉の奥が詰まって、声がでなくなる。