「もしかしたら……俺は託されたのかもしれないな」
あたしと久我くんが出会う保証なんてないのに。
そんなこと、お兄ちゃんにはわかるわけないのに。
不思議と、そうなのかもしれないなんて思ってしまう。
「今こうして、美紗に渡せてよかった……」
ご褒美をもらったみたいだよ。
お兄ちゃんからのキャンディーを、再び手にできるなんて。
時を隔てて、今。
久我くんから、あたしへ……。
引力でもなんでも信じられる気がした。
今、ここにお兄ちゃんのキャンディーが、あたしの手の中にある現実に。
「これからは、俺が美紗の涙をぬぐうから」
「……」
「俺と……」
「……」
「つき合ってほしい」
「……」
「好きなんだ……美紗のことが」



