「俺、遥輝君が大好きだった。思いやりとか優しさとか、全部遥輝君に教わった気がする。
あの時、美紗に声を掛けたのは……そんな遥輝君の精神が俺にも宿っていたからかもしれない。
ことあるごとに思うんだ。こんなとき、遥輝君ならこうするだろうとか、こう言葉を掛けるだろう……とか……。
だから、今の俺を作ってくれたのは、遥輝君なんだ……」
力強いその言葉は、あたしの涙腺を崩壊させた。
「遥輝君最後に言ってた。俺といるときは病気のこと忘れられてたって。俺といることでそれを一瞬でも忘れてくれたなら、俺、少しでも遥輝君の役に立てたかな……」
あたしは力強く首を縦に下ろした。
絶対そうだよ。
あたしから見たお兄ちゃんは強かったし、病気と真正面から闘っていた。



