君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



久我くんの口から告げられた『遥輝君』という名前に、泣きそうになった。


お兄ちゃんと久我くんが、友達だった……。


ある程度想像できたようでやっぱり想像しがたいその関係は、いったいどこで結ばれたものなんだろう。


知りたい気持ちが胸をせかす。



「お兄ちゃんとは、どこでーーー」


「俺、遥輝君が亡くなってること知らなくて……美紗の家で……写真を見て……頭が真っ白になったんだ」



それよりも久我くんが先を急ぎ告げたのは、もっと驚くべきこと。



「えっ……」



お兄ちゃんの死を、知らなかった……?


…………なら。


あの日あたしの家でそれを知ることになった久我くんの動揺や衝撃は。


"あたしの兄という事実"以上のものだったに違いない。