瞬間、久我くんは顔を歪め、肩を震わせ、口元を手で覆った。
今まで抑えていた感情が一気にあふれ出たかのように。
「……ごめっ……」
顔をそむけ、そのまま天を仰いだ。
まるで涙をこらえるかのような仕草に、あたしの心は大きく揺さぶられた。
この数日間、久我くんの中でどんな感情が育っていたんだろう。なにを考えていたんだろう……と。
ゆっくりでいいよ。
ゆっくりでいい……心の中でそう唱えながら、久我くんが話してくれるまでじっと待つ。
やがて何度か深く呼吸を繰り返し、落ち着きを取り戻したのか、あたしの目をまっすぐ見て言った。
「遥輝君は、俺の友達なんだ……」
と。
「……っ」



