えっ、もう部活終わりの時間?
いつの間にか2時間近くも経っていたなんて、いくらなんでも、そんなに時間の感覚狂ってないよね?
咄嗟にスマホで時間を確認すると、やっぱりまだ6時にもなってない。
あまりにも早すぎる。久我くんなわけない。
ほっとしたのもつかの間。
じゃあ誰?もしかして見回りの先生?
やばい。注意されるかも……と思い身を縮める。
背後からは足音が近づいてくるけど、もう少しの距離というところでそれが止まった。
「……」
背中になんとも言えない視線を感じる。
確実に誰かそこにいるのに何も言葉を発しない。
先生なら、歩み寄ってくる途中で声を掛けるだろう。
じゃあ、まさか、久我くん……?
恐る恐る振り返れば。
「……」
ほんとに久我くんが立っていたものだから、驚きで口を開いてしまった。