「つうか美紗、化学室行かなくて大丈夫なのか?」
蒼くんに言われてハッとする。
「わわっ、まずいっ!」
のんびり話してる時間ないんだった!
頭上ではちょうど本令が鳴り響いている。
「ごめんね陽菜ちゃん!この続きはまた今度」
「え~~っ!」
不完全燃焼な表情の陽菜ちゃんに手を振って、あたしはふたりの元から駆け出した。
お兄ちゃん。
お兄ちゃんは、最高に素敵な友達をもってるね。
ありがとう。
お兄ちゃんのおかげで、蒼くんと陽菜ちゃんっていう、かけがえのない人に出会えたよ……。
ずっとずっと、この縁を大切にしていくからね。