君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「うん」


「寝るなよ?実験中は気を抜くと危ないからな」


「寝ないってば」


「だよな。俺じゃねぇもんな」


「蒼くん寝てるの?」


「ちょっとだけ」



なんて、他愛もない会話をごく自然にできていることが驚きでもあり嬉しくもあった。


きっと、つき合いの長さがそうさせてくれるんだ。



「そういえばさ」



その振りと同時に蒼くんの顔が少し曇り、何を言われるのか構えると。



「凛太朗、最近すこし様子がおかしいんだ。教室ではどう?」


「えっ……」



まさかの問いかけに、顔が固まった。


蒼くんにまで、久我くんの異変が伝わっているなんて思いもしなくて。



「ど、どうかな……。最近……喋ってなくて……」



ということは、部活中もあんな感じなんだ……。


彼が活き活きできるはずの時間にまで影響を及ぼしているなんて胸が痛む。



「そっか……。どうも最近自分を追い込みすぎてるようなとこがあって。一心不乱にボール追ってるっつうか。かと思えばぼんやりしていたり。あんなプレー続けてるとケガしかねない」


「えっ、ケガ!?」



際どい発言にひやっとする。