君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「どう?学校には慣れた?」


「うん。友達も、出来たの……」



あたしに友達がいないことを知っている蒼くんに伝えたかったんだ。


直接は言ってこないけど、心配してくれてるのはわかっていたから。



「よかったな……」



蒼くんは、うれしそうに目を細めると。



「仲良くしてやってね」



伊織ちゃんに向かってニコッと笑いかけた。


その笑顔の破壊力といったら……。クラッとしそう。


それは伊織ちゃんにとっても同じだったようで。

声も出せずにただコクコクと頷いている姿がちょっと面白い。



「いっぱい遊んでいっぱい青春しろよ」


「ふふっ」



蒼くんらしい言葉だな。



「またそのうち、家に行くから。おばさんにもそう言っといて」


「うん」


「じゃ、またな」



蒼くんはそう言うと、工藤くんたちにも手をあげて仲間の元へ去っていった。