君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



そういう俺だって、バスケ以外、教室の中では無気力かもしれない。


けれど遥輝君を見ていたら、健康な自分がそんなんでどうするんだと言われているようで、もっと日々を大切に過ごそう、そんな風に思えるようになっていた。



会話の端々で、たまに退院している様子もうかがえた。


でも、今更なんの病気なのか聞く勇気もなかった。



やがて遥輝君は、俺のことを「凛太朗」と呼びすてにするようになった。


「弟みたいだし」って言った遥輝君に、「姉ちゃんと妹いるのに贅沢だなー」って笑ったら、「凛太朗の兄貴になってやるんだよ」って言われて、それに気づいた時にはすごく嬉しかった。


遥輝君は先輩とはまた違う。


でも、同級生のような友達とも少し違う。


"兄貴"と呼んでもいい特別な存在なんだと思ったら、俺にも味方という人間ができたんだと思えて。