「間違ったことは、してないよ」
「……」
不覚にも、涙があふれてきた。
どうしてこんなにも遥輝君は、俺の気持ちをわかってくれるんだろう。
遥輝君といて思うのは、人を良く見ているということだ。
今日ここには10人程度の人がいた。
なのに、動いたのは遥輝君だけだった。
常に周りに目を配り、心を配って……だからこそ、できた行動。
俺は、そんな遥輝君を見て……。
……そうだ。
今までの俺だったら、あの場面で女の子に声を掛けるどころか、気づかぬふりをして本を読み続けていたかもしれない。
遥輝君と出会って、関わっていくうちに、遥輝君みたいになりたい、そんな感情が少なからずとも芽生えていたんだ。



