君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「ずっとここに入院していたので、ここへ来れば会えると思っているみたいで毎日ここへ連れて行けとせがむんです」



よく見ると、その顔はとてもやつれていた。



「連れてくれば気が済むかと思って連れてくるんですが、そのたびにこうやって病院内を捜しまわって……」



力なく落とす声に、掛けられる言葉もなく。



「まだ4歳なので……理解するのは難しいと思うんですが……。ご迷惑をおかけしました」



父親は、このスペースにいる人全員に言うように頭を下げると、ここを出て行った。


いっときは静まり返っていたここも、やがて、何事もなかったかのように、人々はそれぞれ自分の時間に戻る。


遥輝君も車いすを動かし、元居た場所まで戻っていく。


俺も、さっきまで座っていた椅子に戻ったが……胸の中がモヤモヤしていた。