「そうでもないよ。つうか、好きな子いるし、モテてもあんまり意味ない」
けれど俺の不安に反して、否定でも肯定でもなく返すから、密かに胸をなでおろした。
にしても、やっぱりモテるんだよな。
この性格じゃ、当たり前だ。
なら、どうして俺を好きになる女の子がいるのかがすごく不思議になった。
そして好きな子からじゃなきゃモテても意味ないとか、遥輝君はいちいちカッコいい。
「へー、好きな子いるんだ」
「へへっ、まあね」
俺が冷やかすと、遥輝君は恥ずかしそうに口元を緩めた。
「つき合ってんの?」
恋の話に興味があるのは女だけじゃない。
中学生男子3人集まれば、そんな話ばかりだ。
遥輝君の恋の話となればなおさら興味がある。
「いや、違うけど」
「あ……そっか……」