遥輝君が笑顔なのに、俺が暗い顔してどうする。
そのとき、目に飛びこんできたものを見て俺は笑った。
「なんかそれ、可愛すぎない?」
遥輝君の足にかけられていたブランケットに、女子の好きそうなキャラクターが描かれていたから。
中学男子が使うようなもんじゃないだろ。
「だろ?これはないよなー。家族がこれ持ってきたから仕方なくてさあ」
「とかいって、遥輝君の趣味なんじゃないの?」
「はあ?勘弁してよ。どうしたら信じてくれる?」
久しぶりなのに、昨日も話していたかのように会話が弾む。
人見知りな俺が不思議だけど、遥輝君に対しては心が許せて。



