俺はばあちゃんの見舞いだと伝えたが、遥輝君は自分については語らず。
聞けば教えてくれたのかもしれないが、自分から言ってくることはなかったし俺も聞かなかった。
だた、帰り際「お大事に」とだけ伝えた。
あれから4ヶ月過ぎていたが、遥輝君は見た目には何も変わっていない。
車いすに乗っているところも、頭に被っている帽子も。
それを踏まえると、遥輝君はあのあともずっとここに入院していたんだろう。
俺が学校へ行き、バスケをしている間、遥輝君はずっとここに……。
そう思うと、会えて嬉しいなんて……不謹慎だよな。
鈍い痛みが、チクッと胸を刺す。
「バスケはどう?頑張ってる?」
俺の近況を聞いてくれる遥輝君は相変わらず笑顔だった。
「うん、練習はきついけど楽しいよ」
それに救われた。



