「の、飲めますけど」
子供扱いされてつい言ってしまったが、実はまだコーヒーなんて飲んだことがなかった。
「俺、遥輝。キミは?」
「凛太朗……です」
「凛太朗君ね。あと、ほんとに敬語いいから。それもお近づきのしるしと思って受け取ってよ」
「じゃあ……いただきます」
お近づきのしるしって……彼は俺と仲良くなりたいと思ってるのか?
俺は昨日今日会った人と友達になるとか、そんなのありえないのに。
それでも、ポンポンと軽快に飛び出す声のおかげか。
彼の出す柔らかい雰囲気や、よくしゃべるって言ってることはちょっと強引なのに、こちら側に不快な気持ちを与えないという不思議な魅力があった。
「うっ……」
「ごめん、それブラックなんだ」



