やがて、ばあちゃんはウトウトし始めた。
寝ている間に俺が帰ってしまうとばあちゃんが寂しがる。
きっと1時間くらいで目を覚ますはずだから、それまで時間をつぶすか。
そのつもりで、鞄の中にはバスケの教本を入れてきた。
俺はそれを持って、病室を出る。
病棟は東西南北に分かれていて、院内をぐるりと一周することができる。
ばあちゃんがいるのは西病棟。
日当たりのいい南病棟には談話スペースがあり、テラスに出ればガーデンチェアも備えられて、日向ぼっこしている患者がいたりする。
この病院にはコンビニもあるしカフェもあるし本屋もある。
時間を潰す場所はいくらでもあるが、俺はテラスへ向かった。



