君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



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美紗の家から、どうやって帰ってきたか記憶がないくらい、俺は混乱していた。


家に入ってすぐ、電気もつけずに玄関にしゃがみ込む。



いったい……何がどうなってんだよ。


美紗のお兄さんに手を合わせようとして。


遺影を見た瞬間、時がとまった気がした。


何がどうなっているのか、息の仕方さえ、わからなくなった。



なぜなら、俺はその人を知っていたからだ。






―――彼に出会ったのは、俺が中1の冬だった。