君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



部屋に入り、ハンカチが入っている引き出しを開けると。



「あれ……?」



いつもあるはずのハンカチが、忽然となくなっていた。


別のところにしまったんだっけ?


そう思って机のすべての引き出しを開けてみるけどどこにもなかった。



「じゃあこっちかな……」



クローゼットの中の引き出しを開けてみるけど……そこにも入ってない。



「なんでなんで?」



いつもあったはずのものが見当たらず、軽くパニックになる。


他にも思いつくところを探したけれど、やっぱりなくて。


絨毯の上に膝をついてあたりを見渡す。


どうして今日に限ってないの?


せっかく返せるはずだったのに……。


はぁ……仕方ない。


今日のところは正直に話して謝って、またゆっくり探そう。


ガックリしながら階段を降り、久我くんの元へ戻る。