君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



久我くんが、あたしをジッと見つめる。


トクン……トクン……。


あのときと一緒だ。


カラオケにどうして行く気になったか聞いて、そしたら、あたしをじっとみつめて……。


―――そのとき。


正面からやってきた車のヘッドライトがあたしたちを明るく照らした。


まぶしくて、思わず目を細める。



「っ、行こうか」



ハッと我に返ったように久我くんが言い、歩き出す。



「あ、ありがとうっ……!」



一歩遅れをとって後を追いかけたあたしは、そう返事をした。


普通なら冗談で返すところかもしれないけど、冗談にしたくないと本能で思ってしまったんだ。



久我くんと一緒にいると、ドキドキする。


それはきっと。


あたしのなかの"ある気持ち"の芽生えのせいだ。


あたし、久我くんのことが……。




"美紗だからだよ"


ねえ、久我くん。


今のは、どういう意味で言ったの……?





「ここだよな」



気づけば、もう家の前までついていた。



「へっ……?あ、うん……」



言われなかったら通りすぎていたかもしれないくらい頭の中は久我くんでいっぱいになっていて、我に返ってすごく恥ずかしくなった。