君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



自分のスペースを確保するのも困難な車内の中で、久我くんはあたしをドア側にして他の人から守るように立ってくれて。


ぎゅうぎゅうに押しつぶされることもなかったのは、そんな彼のおかげ。


距離が近くてドキドキして……触れた体から伝わらないかって、またドキドキした。



電車を降りて、今度は家に向かって並んで歩く。


今日は湿気も少なくて、すこし冷たい夜風が半そでシャツから伸びた腕をひんやりと撫でた。


夜空には、星もまたたきはじめている。



「おばあさん、その後具合どう?」



聞くか迷ったけど、とても心配だったから。



「今は状態も落ち着いているし、この間行った時も喜んでくれたよ」


「よかった。久我くんはきっと自慢の孫だろうね」


「どうかな」