君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



そして笑い終えたところで。



「じゃあ、帰るか」



蒼くんが言う。


……それって、一緒にってことかな……。


帰る方面も一緒だし、必然的にそうなるかもしれないけど、なんとなく気まずい。


自分の初恋にきっぱりけじめをつけられたっていうのに、一緒に帰るのって、なんていうか。


いまは、感傷に浸りたい気持ちもある。


今日はひとりで帰る。そう言おうとしたとき。



「美紗は俺が送っていきます」



声がした。


え……?


すっ、と隣に現れたのは、久我くんだった。