「だから、陽菜ちゃんとずっと仲良くね。陽菜ちゃん泣かせちゃダメだからねっ」
どこかで強がりもあったかもしれない。
でも、いまも空のどこかで見守っているお兄ちゃんの願いでもあるはず。
蒼くんと陽菜ちゃんがずっと幸せでいること。
それがお兄ちゃんの幸せでもあるんだろうから。
「ああ。わかってる」
力強くうなずいた蒼くんの目にも涙がたまっていた。
「ふふっ」
「ははっ。なんか……照れるな……」
「ほんと。蒼くん顔真っ赤」
「……っ、美紗だって」
ふっと力が抜けて、笑いあう。
そう。
そうだ。
蒼くんとは、ずっと友達でいたいんだーーー。
お兄ちゃんがつないでくれた、縁を大切にして。



