「美紗……っ、ありがとう……」
蒼くんの声は、優しく、そして涙で揺れていた。
だから、あたしも蒼くんへはじめてを伝えようーーー
「あたしね、蒼くんのことが好きでした……」
不思議と落ち着いていた。
告白って、もっとドキドキするものだと思っていたのに。
「はじめて会った日から、ずっと……」
もう叶わない想いだけど、伝えれば、きっときれいに初恋にさよならできると思ったんだ。
こんなに落ち着いているのは、きっと、芽生え始めた"ある気持ち"のせいでもあるはず……。
「……ありがとう……」
心が癒されていくような蒼くんの声。
……その言葉だけで、もうじゅうぶん。
「あたしも陽菜ちゃん大好きだから……陽菜ちゃんなら仕方ないなって思う。だって、お兄ちゃんも好きになった人だもん」
「美紗……」



