責められると思っていたのか。
謝ったあたしを見て、蒼くんは困惑している。
「あたしね……見たの」
「……見たって、何を?」
「お兄ちゃんが、蒼くんと陽菜ちゃんに送ったメール」
蒼くんの目が大きく開かれる。
「……お兄ちゃんの想い……全部知った」
ふいに涙が出てきて、指でそれを払った。
「あたし、なにも知らなくて……」
お兄ちゃん、陽菜ちゃん、蒼くん。
3人には、3人にしかわからない想いがあるんだよね。
きっと、もっとあたしの知らないことがたくさん。
「……お兄ちゃんが命がけで紡いだ言葉……無駄にしないでくれて、ありがとう……」
「……」
「いっぱいいっぱい、ありがとうっ……」
今回、はじめて知ったことがたくさんある。
そのすべてに。



