君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「……美紗。俺、陽菜とつき合ってる」



重々しい声に神妙な顔。


幸せな報告を、こんな風にしなきゃいけない蒼くんの気持ち。


それを考えたら、受け取るあたしも心が痛くなる。



「美紗がそれを知ってどう思うか……。どう話すか……ずっと迷ってた。だけど、ちゃんと言わないといけない、ずっと思ってた……」



苦しそうに、言葉を選びながら。



「だけど、あんな風に美紗が知る形になって、ほんとうに……ごめん……っ」



歯を食いしばりながら顔を歪める蒼くんは、きっとこの3日間ずっと悩んでいたんだろう。

その苦悩が手に取る様にわかる。


……蒼くん、ごめんね。



「……確かに……蒼くんと陽菜ちゃんが一緒にいるの見て、頭が真っ白になって……。……変な態度とっちゃって、あたしの方こそごめんなさいっ」


「……え?」