君が泣いたら、俺が守ってあげるから。


伊織ちゃんやめてよ~。

きっと、ここにいる誰もが伊織ちゃんの方が可愛いって思ってるに決まってるもん……。



「永井、です……」



ハードルの高い紹介のされ方をしちゃったから声が小さくなりつつも、前のふたりに向かって頭を下げた。



「よろしくなっ!伊織の友達なら、俺も友達だ」



どきどきしているあたしに向かって、工藤くんは明るい笑顔を向けてくれた。


え、うそ……。

あたしのこと、友達って言ってくれるの?


女友達すらいなかったのに。


そんなあたしは男の子にも敬遠されてたから、そんな風に言ってもらえて涙が出そうなくらいうれしかった。