実際、具合が悪くなっちゃったんだけど。


身から出たさび、かな。


食欲もわかず、朝からずっとベッドのなかでゴロゴロしていると。



――コンコン。


部屋の扉がノックされて、入ってきたのはお姉ちゃんだった。



「具合、どう?」


「……あれ?大学は?」



部屋の時計は、10時半を指している。


こんな時間に家にいるのを不思議に思う。



「今日の講義は午後からなの」


「ふうん」



大学って、朝からずっとあるわけじゃないんだ。


いつも同じ時間に家を出ていくあたしは、お姉ちゃんがどんなタイムスケジュールで学校に行っているかなんて全然知らなかった。



「熱は下がったってお母さん言ってたけど、まだつらいの?」


「……うん」



布団に入ったまま答える。


つらいのは……心だけど。


そんなあたしに、お姉ちゃんは衝撃なことを告げた。