足が棒のように動かなくなった。
どうして……陽菜ちゃんが……?
まだ冷やかしを続ける同級生に、陽菜ちゃんは照れたような笑みを浮かべる。
そして、同じように照れたような蒼くんと目を合わせて……笑いあう。
なに……どういうこと……?
どうして蒼くんの隣に陽菜ちゃんがいるのかが理解できない。
陽菜ちゃんが蒼くんの彼女なんてこと、あるわけないのに……。
「……美紗……いったん戻る?」
蒼くんが彼女といることでショックを受けていると思ったのか、久我くんが横からそう声を掛けてくるのが耳に届いた瞬間。
あたしはするりと傘を手放した。
コロン……と地面にひっくり返る傘。
そして、あたしの足はゆっくり前へ進み出ていた。
蒼くんのもとへ……。



