「結構降ってるな」
「うん、当分やまなそうだね」
靴を履き替え傘を広げて。
昇降口を出ると、2年生の先輩集団が前を歩いていた。
広がってゆっくり歩いているからなかなか前へ進めない。
追い抜かすタイミングを見計らいながら、後ろをのろのろついていると。
「相合傘なんて見せつけてくれてんじゃねーの?」
「傘持ってねーんだよ」
その中にはカップルなのか、相合傘をしている先輩がいて。
同級生に冷やかされていた。
――ドクン。
その後ろ姿を見て、足が止まる。
蒼くん……?
後ろ姿でも、あたしにわからないわけがない。
……あれは蒼くんに間違いない……。
広げた赤い傘を手に持った蒼くんの隣には、頭一つ分くらい背の低い女の子が寄り添っていた。



