その後、しばらくして久我くんが教室に戻ってきた。
「さっきは悪かったな」
「ううんっ、あたしもぼんやりしちゃってたし」
さりげなくシャツを確認するけど、色はついてない。
よかった。
「あんなに急いでどうしたの?」
「1組のヤツに英語の教科書借りてたんだよ。で、5時間目英語だからそれまでに返せって言われてたの思い出して」
「そうだったんだ」
「つうか、教室あちい」
湿気でじめじめした教室は、たしかにむうっとして暑い。
走った久我くんは余計に暑いのかも。
第二ボタンまで解禁したシャツの胸元を引っ張って、パタパタと風を送り始める。
久我くんはなにも考えもせずにやっているんだろうけど、チラチラ見える素肌にドキッとする。
夏服になったから、半袖のシャツから伸びる腕の逞しさも目に眩しい。
腕の筋に色気を感じて、なんだかドキドキしちゃう。



