君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



「……ごめん、こんなこと聞かせて」



頼りない声。


いつもあたしに力をくれる彼とは真逆の姿にハッとしながらも、気持ちは痛いほどわかった。


きっと、ひとりで抱えたくなかったんだ。


“つき合ってほしい”


誰かに寄り添いたい。話を聞いてほしい。気持ちをぶつけたい。


あたしには、それがわかりすぎた。


ベンチの上に無防備に置かれた彼の手。


その上に、自分の手をそっと添えていた。


無意識だった。


ピクッと久我くんの肩が上がり、ゆっくりこっちに顔を振る。


瞳に溜まった光るものが見え、心臓が波打った。


普段、学校では見せたことのない久我くんの心の中をのぞいた様な気がして。



「ううん」



そう言うので精いっぱいだった。