「はい、これ」
渡されたのは、ここで売り切れだった桃のジュース。
「え、どうして……?」
「これと同じ自販機が3階にあるの知ってて」
ってことは、
「今わざわざ3階で買って来てくれたの?」
「ああ」
やだ。
いま、胸がきゅんっていったよ。
「あ、ありがとうっ。教えてくれたら自分で買いに行ったのに」
「探すの大変だろ。俺なら場所わかってるし」
どこまでも男らしいその発言にも。
「ほんとにありがとう。すごいうれしい……あ、お金!」
お金を取り出そうとすると、久我くんは言った。
「金はいらない。その代わり少し付き合ってくれる?」



