「初恋は幼稚園のときだったかな?ふふっ」
「えー」
うまくはぐらかされちゃった?
「なんてね。私、これでも28歳だから。今の彼とは病院に勤めてすぐに知り合って、実際おつき合いを始めたのはそれから5年後のことだったし」
「わぁ、お友達期間が長かったんですね?」
「うん……」
五十嵐さんは口を閉じたまま頷くと、さっきまでとの口調を一変させた。
「私ね……高校生の時に好きだった人を亡くしてるの」
「えっ」
突然の告白は、あたしの言葉を詰まらせた。
「私には彼以外考えられない。私は永遠に彼を想い続けるんだろうって思ってた……」
真剣な横顔。
初めて語られる彼女の話に、あたしは耳を澄ませた。
「彼はもういないし二度と会えないけど、心の中にずっと居るっていう意味では、一生自分の近くに居る。ある意味、誰のものにもならないしずっとふたりでいられると思ってた」



