君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



看護師さんは、こういう場面に慣れすぎて涙なんて出ないものだと思っていたのに。


誰かの大切な人として、お兄ちゃんのことを見ていてくれたんだと、とても救われたんだ。



「はい。あたしも受験をして高校に入学して……なんだか目まぐるしく時が過ぎていった感じです」


「そっか。受験だったんもんね。大変だったね。ご家族の皆さんも、変わりない?」



しばらく、家族のことやお兄ちゃんの思い出話をしていたんだけど。



「聞いてもいい?美紗ちゃん今、あの学校に通ってるの?」



遠慮がちに言った五十嵐さんは、窓の向こうに見える校舎を指さした


あ……。


そこには、屋上から見えた逆の景色があった。


やっぱりここからも桜園高校が見えるんだ……。


五十嵐さんにも、志望校は桜園だと伝えていた。その理由も。