「ちゃんと気持ち吐き出せてよかった。一緒にいてくれてありがとう」
どうしてかな。
久我くんには、不思議と話せてしまうんだ。
自分の気持ちを伝えるのが苦手なあたしが、こんな風に自分をさらけ出せるなんて。
久我くんがいてくれて、ほんとに良かった。
涙の乾いた顔で、今出来る精一杯の笑顔を向けると。
「……っ、俺が好きでしたことだし。礼なんていらねえよ」
照れたように言い放つそれが、また久我くんらしくて安心する。
久我くんって、ちょっとツンデレなところがあるのかな?
普段は男らしいけど、そんなところが可愛いなんて思う。
「……っ、なんだよ」
いつまでもその横顔を眺めていると、ギロッと睨まれた。
「あ、授業!」
大変なことを思い出す。
そういえば、今5時間目の授業中だ。



